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●ちぃくんヒストリー



大好きだったおばあちゃんが一番可愛がってた猫
それが「ちび」といいました
亡きおばあちゃんを想い
わたしは ある日 出逢った白黒の野良の子猫に
ちび と名付けたのです

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ちび・・・
ちぃくんが生まれたのは こんな美しいビーチのある南の島
タイのプーケットです
一見 優雅な常夏のリゾートの だけど貧しい村のはずれで
親猫ともはぐれて たったひとり
いじめられたのか 片目を怪我して 泥にまみれて
見るにも惨めで貧相な 痩せた子供猫で
みぃ みぃ と弱々しくなきながら
そうっと身体をすりよせてきました


それは 1999年の初夏のこと
わたしが仕事でその南の島に赴任していたときのこと

おなかがすいてるんだろうけど
か細い泣き声しか出せない
片目をケガしているようで
ほとんどつぶれたようになってしまっている
とても痩せた 弱々しい子だったけど 
聡明そうな顔をした白黒の子猫は
最初から 少しも臆することなく
まるで母猫にするように わたしになついてきました

食事と水をあたえ 身体をきれいにしてやると
満足そうに そばでうたたねをはじめて
その日からすっかり 一緒に生活するようになりました
寝るのも 食事も なんでも一緒
どこへいくのも いつでも一緒

ちびはとってもママっ子で
ママをいじめるひと わるいひとがいると
いつもは ぬいぐるみみたいに大人しいちぃくんが
嘘のように怒って そのひとに襲い掛かろうとします
ちびは男の子だから
ママを守ろうとするかのように 闘うのです

とにかく ママが大好き
べったり いつも一緒です

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わたしが帰国するとき
胸が張り裂ける想いでしたが 
最初 ちびは置いていくつもりでした
日本はあまりにも遠い きっと身体に負担がかかるだろう
この島でならのびのび暮らせるのに
東京で 狭い空の下でなんて 
ちぃがつらいんじゃないだろうか・・・
それに タイの野良猫の寿命は3年ともいう--

でも 村のみんなとも相談して
ちぃも一緒に東京に来ることにしました
それがちびのしあわせなんじゃないか って
獣医さんや お役所のひとたち
みんなで考えて 協力して 書類をそろえて
ちぃくんの海外お引越し作戦がはじまりました
タイの田舎の村から
猫はもちろん 
人間だって日本になんか行ったことなかったんです

成田空港の検疫で2週間・・・
フライト等の移動では結局30時間以上もトイレを我慢して
ちぃくんは無事 日本にやってきました
タイと日本政府所轄庁が発行した
カッコいい「輸出証明書」「輸入証明書」もあるんです 
2000年の夏のことでした

東京で元気に育ったちぃくんは
今年で8才になりました
野良なのでお誕生日がわかりません
だからママと同じ日にしてもらってお祝いしています
そして今年から 
ちびの生まれた南の島に ちょっぴり似た
気候のいい 湘南に引っ越してきました

赤ちゃんのときの目のケガも
片目の表面に少し濁りが残っているけど
ちゃんと視力もあるそうです

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天使のようなちび
ずっとずっと そばにいてね 一緒にいようね
おまえの穏やかな寝顔をみていると
私たちは ほんとうに 
幸福というものが
姿かたちになって天から舞い降りたように思えるんだよ

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タイの田舎の村で あの芝生のうえで
・・・あの頃の夢を見ることもある?
湘南の陽射しをいっぱいに浴びて
目覚めたら また甘えておいで

おまえがしてくれるように
私たちも
精一杯 ちいさなおまえを
愛しつづけるからね
もう 何も心配は要らないから
穏やかに 
陽だまりのなかで いつまでも ずっと

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ちぃくんがお話してくれる
『しあわせのたね』
のお話も読んでみてくださいね


2007年3月24日
Byちぃくんママ

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